消防・防災設備
メンテナンス
メンテナンスの重要性

命を守るための最前線
火災や災害が発生した場合、消防・防災設備は人命を守るための最初の防御線となります。しかし、設備が正常に作動しなければ、その役割を果たせません。定期的な点検を行い、万が一の際に確実に機能する状態を保つことが必要です。
消防用設備等には定期点検が必要です。
①対象となる設備や点検周期は?
消防用設備等の点検とは、消防法に基づき設置された消火器、自動火災報知器、消火設備、誘導灯などの消防用設備について、同法に基づき定期に機器の点検(機器点検)、総合的な動作点検(総合点検)を行うもので、防災上非常に重要な点検です。
対象は、消防法令に基づき設置された設備で、点検の対象(種類)、点検内容、周期(機器点検6ヶ月以内毎、総合点検1年以内毎)については、消防庁告示により下表のように規定されています。対象設備が不明な場合は、法令で設置された設備は設置時に「消防用設備設置届」を所轄消防に提出していますのでそれを確認しましょう。通常の事務庁舎であれば300㎡以上、宿舎では150㎡以上の建築物には「消火器」の設置が法令で義務付けられています。
②点検者の資格や、点検結果の記録様式や報告義務は?
【点検資格】
基本的には、消防設備士又は消防設備点検資格者が点検を行って下さい。
ただし、次の①②のいずれにも該当しない建物については、法律上資格者以外でも点検することができますが、点検時の安全面などを考慮し、消防庁で資格者による点検が推奨されています。
① 延べ面積1,000㎡以上の建物(※非特定防火対象物にあっては消防長又は消防署長が指定したもの)
② 地下又は3階以上の階に特定用途(物品販売店舗、ホテル、病院、飲食店など不特定多数の人が出入りする事業所等)があり、かつ、屋内階段が一か所のみの建物
【記録様式】
点検記録の様式は、告示で定められた以下のような様式があります。
①消防用設備等点検結果報告書
②消防用設備等点検結果総括表(※④が添付されていれば省略可)
③消防用設備等資格者一覧表
④必要な設備の点検票
【報告義務】
建物用途(規模に関わらず)によって決められた期間ごとに所轄消防署に報告する義務があります。
・特定防火対象物 1年に1回の報告(用途例:物品販売店舗、ホテル、病院、飲食店など不特定多数の人が出入りする建物)
・非特定防火対象物 3年に1回の報告(用途例:工場、事務所、共同住宅、学校、駐車場等)
実施にあたっての留意点など
・法的には、義務付けられていない消防用設備を自主設置している場合も、「消防用設備設置届」を提出している場合は、法的な消防用設備となりますので、ご注意下さい。
・点検結果に問題がある場合は、早期に改善を検討して下さい。(報告義務のある建物については、報告書を消防署に提出した場合、消防署から「消防用設備等点検報告改修計画書」の提出を求められる場合があります。)
・点検資格が不要な施設でも資格者による点検が望ましいと考えられますが、職員等で点検を行う場合は告示等で点検の内容を良く理解した上で行って下さい。
【関係する根拠法令等】
・点検規定 :消防法第17条の3の3
・防火対象物:消防法施行令第36条第2項
・点検周期等:消防法施行規則第31条の6、H16消防庁告示第9号
・点検内容 :S50消防庁告示第14号
・点検資格 :消防法施行令第36条第2項
1. 消火器
- 初期消火に使用される器具。適切な場所に配置され、期限切れや破損がないか確認されます。
2. 自動火災報知設備
- 火災発生時に自動的に火災を検知し、警報を発する設備。感知器の汚れや故障がないか確認します。
3.スプリンクラー設備
- 火災時に自動的に水を放出し、火災を抑制するシステム。バルブや配管の異常、水源の確保状況などを点検します。
4. 避難誘導設備
- 非常口標識や誘導灯など、避難経路を示す設備。点灯状態やバッテリーの劣化を確認します。
5. 防火シャッター・防火扉
- 火災の延焼を防ぐための設備。動作確認や障害物がないか、定期的に点検します。
主な作業内容
1. 点検
- 設備が正常に作動するか、異常がないかを確認します。これには動作確認や外観のチェックが含まれます。
2. 整備・清掃
- 感知器やスプリンクラーなどの設備が効果的に機能するよう、汚れの除去や必要な部分の交換を行います。
3. 記録と報告
- メンテナンスの結果は記録され、必要に応じて報告書が作成されます。報告書は行政機関に提出されることもあります。
4. 交換・修理
- 故障や老朽化した設備は、修理または交換が必要です。特に消火器の薬剤の期限切れやバッテリーの交換は重要です。
メンテナンスの頻度
消防法に基づき、消防・防災設備の点検は一般的に年1~2回行われますが、設備や地域の規則により異なる場合もあります。また、緊急時に備えた日常的なチェックも推奨されます。

消防・防災設備が正しく機能しない場合、災害時の初期対応が遅れ、被害が拡大する可能性があります。そのため、定期的なメンテナンスは非常に重要で、法的な義務としても定められています。
法令遵守の義務
消防法・建築基準法
消防法や建築基準法では、消防・防災設備の点検と報告が義務付けられています。点検を怠ることで罰則を受けるリスクがあるだけでなく、企業や施設の信用を損なう恐れもあります。法令を遵守することは、信頼を築く基盤となります。
火災・災害リスクの最小化
初期消火の重要性
小さな故障や異常が放置されると、大きな事故や被害につながる可能性があります。例えば、火災報知機やスプリンクラーが作動しないと初期消火のタイミングを失い、被害が拡大する恐れがあります。点検は問題を早期に発見し、リスクを最小限に抑えるための重要な手段です。
安全で快適な環境の提供
ビル・施設・マンションなど
設備が適切に動作していることで、施設を利用する方々が安心して過ごせます。また、安全が確保されることで、企業活動の継続性にも寄与します。
コスト削減
点検によるコスト削減
日常的な点検により問題を早期に発見・修理することで、重大な故障や全設備の交換といった高額なコストを回避できます。定期点検はリスク削減だけでなく、長期的な費用対効果を向上させる手段でもあります。